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BMW X7 限定車 Nishijin Edition

BMW X7 限定車 Nishijin Edition BMW X7 限定車 Nishijin Edition

BMW X7 NISHIJIN EDITION

2021年9月21日に発表された「BMW X7」の限定車で加納幸の西陣織が採用されました。西陣織にも様々な組織の生地がありますが、今回採用されたのは全く新しく開発した独特の織物でした。

THE X7

3台のみの、無限の輝き。BMW史上最大の体躯を誇るX7をベース・モデルとして生み出された、BMW X7 NISHIJIN EDITION。

光によりその表情を変えるBMW Individual のスペシャル・ペイントを纏い、平安朝に端を発する織物の最高峰、西陣織が室内を彩る、SAVの頂に君臨する一台。

BMWジャパン公式ページより

オリジナルの生地は
「祥雲錦」

祥雲錦・観世横段
祥雲錦・観世横段

加納幸が生み出した帯の名作「祥雲錦」シリーズは、他のどんな織物にも見られない立体的な紋様が特徴のハイエンド作品です。

蝋細工のように盛り上がったメインの柄は、生糸を270本以上撚り合わせた極太の糸を生地表面に浮かせることで大胆な表現を実現しています。これほど立体的に織ると糸がひっかかりそうなものですが、巧みに設計されているため糸が浮いたり解けたりすることはありません。

地紋が入った隙間の部分には引箔と呼ばれる、和紙を極細に裁断して糸状に加工したものをシルク生地の中に織り込むことで奥行き感と高級感が醸し出されています。

新しい織物に挑戦

新しい織物に挑戦

祥雲錦では紋様を描いた和紙を1寸間で23本に切ったものを使用していますが、THE X7では1寸間で90本もの細さに裁断したものに仕様を変更することになりました。これにより、箔(和紙を裁断したもの)が生地の中にもっと沈み込んだようになり、生地の強度も上げることができます。しかしそのような生地を過去に生産したことはなく、生地の設計図となる紋図を一から再構築することになりました。

箔のデザインと装飾を担当されたのは楽芸工房の村田氏。裁断した箔の細さは通常の祥雲錦に比べわずか4分の1というサイズ。この繊細な極細の引箔と大胆な表現を生み出すための極太の生糸を組み合わせて織らなければならないのです。

特殊な織機を
担当する熟練工

加納幸の熟練職人

製織を担当したのは加納幸の熟練職人・中村氏。

祥雲錦の技術を応用した生地はこの織機でしか生産することはできません。普通の織機の場合極太の緯糸で柄を織ろうとしても経糸のテンションが不均衡となり生地が歪んでしまいます。その課題を解決したのが西陣織のジャカード織機を大幅に改造した唯一のこの機でした。

織機が生地を織るのにふさわしいと言っても、スイッチを入れれば自動的に生地が織れてくるわけではありません。糸や箔の具合を見ながらその日のセッティングを作り上げていくのは熟練職人の腕の見せ所です。

ルーフライニング生地の完成

ルーフライニング生地の完成

ベースとなる極細の引箔と、太い糸を使った柄の部分が見事に融合している様子をご覧いただくことができると思います。メインの柄の周りにはごくわずかの無地場を設けることでその立体感をさらに際立たせる効果をもたらしています。

アームレストは
レザーの「織物」

アームレストはレザーの「織物」
アームレストはレザーの「織物」

ルーフライニングの生地は紙の引箔を使った新しい織物でしたが、日常手が触れるところであり強度を必要とするアームレストについてはBMW製メリノレザーの上に箔加工(楽芸工房)を施した上で天井生地と同じ技法で裁断し、同様に生地として織り込むという加納幸ならではの技術が採用されました。天井の色目と合わせるため、紙の箔と革の箔では仕上がりを考慮して色の強さを大きく変えています。

THE X7 NISHIJIN EDITION発表

加納幸・加納大督

2021年9月21日、BMW青山スクエアに特設会場が設けられ、多くのメディアを集めてこの特別なX7が発表されました。発表の場では加納幸の5代目・加納大督が製作に携わった思いなどを語りました。

内装(全体)BMW X7 NISHIJIN EDITION
内装(拡大)BMW X7 NISHIJIN EDITION

Produced by Kiwakoto

Kiwakoto

自動車のインテリアとして西陣織などの伝統的工芸品を用い、伝統の技を最新の工業製品と組み合わせてモダンなライフスタイルを表現するというコンセプトは、京都に本社を置く大手輸入車ディーラー・マツシマホールディングスのグループ企業A・STORY社が展開するKiwakotoプロジェクトで実現しました。

伝統工芸を融合したカスタムカー

BMW

Kiwakotoではファブリック、木、金属などの様々な素材、織り、塗り、染めなどの技による伝統工芸を取り入れたカスタムカーのご相談が可能で、店舗では実際にカスタムを施したユニークな各種デモカーもご覧いただけます(時期により展示車両は異なります)。ご興味のあるお客様はKiwakotoウェブサイトより、または店舗にてご相談ください。

BMWジャパン

THE X7

X7およびBMWの各モデルについてはBMWジャパンのウェブサイトをご覧ください。

「X7 NISHIJIN EDITION」は完売いたしました。

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